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Masterがトッププロ相手に60連勝!

謎のアカウント[Master]が登場

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

2017年の始まり、囲碁界に大きな衝撃が走りました。

去年の12月頃から、

海外のインターネット対局サイト「野狐」に、

とても強い囲碁AIソフトがいくつか登場するようになりました。

もちろんAIかどうかは正確にはわからないのですが、

その手の鋭さと、着手にかかる時間の短さなどから、AIであることが推測されているアカウントです。 

その中でも「Master」というアカウントが海外のトップ棋士達を相手に40連勝以上していました!
 
日本トップの井山裕太九段も対局し、135手まで負けてしまいました。

強いアカウントはすぐに注目されるようになるのもネット碁の特徴で、その存在は時間とともに広がりました。

人間の常識にない着手連発!

業界に衝撃を与えているのは、その強さだけでなく、
これまでの人間の研究を覆すような手を打っていることが大きくあります。

人間の中が「これは悪い」と評価していた手を打っているのにAIが勝利する。

ほんのささいなミスは、プロ棋士、ましてや海外のトップ棋士達からしたら、
致命的なミスにもつながります。

そういったミスをすることで、これまで負けていた人間に対して、
AIはそこからでもあっという間に優勢を築き勝利してしまう。

人間の感覚とは少し違うところで、「効率の良さ」を追求している気がします。

最強棋士と対局!

1月3日には、中国のトップ棋士・古力 九段が、

「Masterと最強棋士3名が対局する」

という情報を発信し、3日20時からインターネット対局サイトで対局が行われました。

そして対局をした棋士は、

・世界ランキング2位の朴廷桓(パク・ジョンファン)九段(韓国)

・6位の元 晟溱(ウォン・ソンジン)九段(韓国)

・そして世界ランキング1位の柯潔(カケツ)九段(中国)です。
 
 
観戦者数も3000人超えという、ネット碁では異例の数ですから、

誰もがAIを負かす瞬間を望んだことでしょう。
 
 
しかし結果としては、AIがトップ棋士を相手に勝利し、1月5日現在60連勝!

相手は世界棋戦でタイトルを獲得した経験がある棋士ばかりです。
 
早碁とはいえ、トップ棋士達が簡単に負けてしまうのは、不思議な光景です。

正体はAlphaGoだった!

正体が明かされないまま対局されていたので、

「漫画『ヒカルの碁』のキャラクター・佐為が現実に!」

と話題にもなったMasterですが、

4日夜に、Google DeepMind社の共同創立者・デミス・ハサビス氏が自身のTwitterで
「MasterはAlphaGoの強化版である。今回はそのテスト起動の為の非公式対局だった」
といった内容の発表をしました!

昨年3月に韓国の李セドル九段を倒し、話題になったAlphaGoが、さらに強化されたのです。
強いのも納得できますね。
 
そして同時に、「今後は公式戦も開催するために動いていく」といった発表もありました。
(今回は全て早碁だったので、持ち時間の長い棋戦の開催)

今回のニュースは囲碁界外の媒体でも取り上げられましたから、
今まで以上に囲碁に注目する人も増えることでしょう。

そういった状況を活用し、いかに追い風を生み出すことができるかが、囲碁界関係者には問われてきますね。

今後も目が離せません!

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