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囲碁アマ高段者が思う「棋譜並べから得られる効果」とは?

棋譜並べで強くなれました

棋譜並べは囲碁の勉強法の1つです。
プロ棋士の棋譜、江戸時代に打たれた棋譜、はたまたAIが打った棋譜などを並べることで、強い人の感覚に触れることができます。

僕は棋譜並べがとても好きで、生徒さんにもおすすめしているのですが、「どういう効果があるか分からないし、プロの一手を理解するなんて無理だ。」といった声をよくいただきます。

僕もこう思ったことが何度もあります。しかし自分の上達を振り返った時に「棋譜を並べていたから強くなれた」と思うことは多々あります。

なのでこの記事では「棋譜を並べることで、それぞれの棋力において、どういう効果を得られるのか」について、感じていることをまとめます。

棋力別・棋譜並べから得られる効果

棋譜並べから得られる効果は、大きく4つあると思います。

1・囲碁の一局の流れを体感できる

2・並べているうちに、定石など部分的な技を覚えられる

3・強い人の感覚に触れられる

4・囲碁が楽しくなる

これら4つのことは、それぞれ強く感じていた時期が違うので、どういう棋力の時に、どういう効果を得られていたのかを紹介していきます。

1・一局の流れを体感できる(初心者〜2桁級向け)

これは19路盤にまだ慣れていない初心者の方に適したポイントです。

囲碁を始めたばかりの頃は、囲碁の陣地がどのようにできあがっていくのか、イメージしにくい方が多いと思います。
強い人から「陣地を作りたいところに石を置けば良いんだよ」と言われても、そもそも陣地をイメージできない。

そういう時に棋譜並べが役立ちます。最初は数字を追うことで精一杯だと思いますが、盤上の変化を時々見てみると、「石が増えていくうちに、たしかに陣地が出来上がってる!」と気づけるタイミングがあります。 
 
プロが打つ一手の意味は分からなくてOKです。
どういう流れで陣地の境界線が決まっていくのかだけに集中して並べてみましょう。

だんだんと陣地ができあがっていくので、一局の流れを体感できると思います。

2・定石など部分的な技を覚えられる(2桁級〜1桁級向け)

棋譜を並べるときは、同じ棋譜を3回並べることをおすすめしています。
※参考記事:『囲碁アマ高段者がおすすめする棋譜並べを楽しむポイント』

同じ棋譜を何度も並べているうちに、なんとなく手順を覚えてきて、部分的な対応を見る余裕が生まれます。
するとある部分においての定石を自然と覚えられます。

また解説付きの棋譜であれば、「◯手目〜△手目までは定石です」といった注釈が書かれている場合が多いので、定石を意識して並べられるでしょう。
 
定石を覚えることは、きれいな石の形を覚えるということなので、効率よく対応できるようになります。
応用の効く効果を得られるでしょう。

3・強い人の感覚に触れられる(上級者〜低段者向け)

部分的な基本対応を一通りできる上級者クラス。
ステップアップのためには大局観が問われてきます。

この段階ではどういうタイミングで手抜きしているか(他のエリアに向かっているか)を確認しながら並べると良いでしょう。

たとえば、自分からすると右上の黒石が心配な形になっている。
普段の自分ならば、迷わずに守りの一手を打つ状況です。

しかしプロはそこに打たずに、別のエリアに向かっていったとします。

不思議に思うかもしれませんが、「強い人がそうしているのだから、どうにかすれば大丈夫なのだろう」と素直に受け入れましょう。
そういう感覚を自身に取り入れることに意識を向けます。

そして同じような形が対局で出てきたら、プロ棋士の真似をして、思い切って放置してみることをおすすめします。

やってはいけないのは、「プロ棋士は放置していたけど、自分は心配だからもう一手守っておこう」と、自分の感覚から抜け出そうとしないこと。
それではせっかく強い人の感覚に触れたのに、十分に活かせていません。

極端なことを言えば、囲碁はどんな棋力の人でも「なんとなくここかな?」と思うところに打っています。
強い人の「なんとなく」を感じ、自分の対局にうまく取り入れていきましょう。

4・囲碁が楽しくなる(すべての囲碁ファン向け)

囲碁はどれだけ勉強しても、すべてを網羅できない奥の深いゲームです。

その中で棋譜並べは、今まで知らなかった一手の存在を教えてくれます。
一手のレパートリーを増やすことで、囲碁の幅が広がり、これまで以上に楽しくなるでしょう。

対局は疲れるからやりたくない。詰碁も難しくてやりたくないという時があると思います。

そういう時にぜひ棋譜を並べてみてください。

以前書いた『囲碁アマ高段者がおすすめする棋譜並べを楽しむポイント』でも言っていますが、難しく考えずに、ただ数字を追って並べるだけでもOKです。
囲碁の柔軟性を高めるような、頭のストレッチをしている感覚で楽しみましょう。

棋譜を探すには

棋譜をどうやって探せばいいのかわからない方もいると思います。
これは意外と簡単で、ネットで検索をかけるとたくさんの棋譜が候補に出てきます。

「応援している棋士の名前 棋譜」や、「攻め 棋譜」、「ヒカルの碁 棋譜」など、いろいろな単語で検索してみてください。

また棋譜に特化した囲碁書籍も多くありますので、通販サイト等で検索してもいいでしょう。

楽しみながら強くなる

ここまで棋譜並べから得られる効果について、棋力別に書いてきました。

囲碁の勉強は長く継続してこそ、力としてついてきます。
自分が楽しいと思える方法を見つけ、それを大切に続けてみてください。

この記事が今後の勉強に少しでも役立てば幸いです。

記:IGOホールディングス株式会社 代表 井桁健太

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