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【囲碁】戦いを有利に進めるポイント(前編)

囲碁の戦いを苦手に感じている人は多いと思います。

序盤の布石なら、隅の定石を覚えたり、3線と4線のバランスを考えていけばそれなりの手を打てます。
また終盤なら、先手でヨセられる所を探していけばいい。

それに対して中盤の戦いには、決まった手順はありません。

自分の先を読む力を頼るしかなく、先にミスした方が大きくダメージを受けかねません。

戦いに関して苦手意識だけでなく、不安を感じながら対応している人もいることでしょう。

しかし戦いにも急所とされる形が実はあります。
それを見つけられるようになれば、戦いが苦手な人でも有利に進められるようになります。

そのポイントは「相手の頭を叩く」にあります。

相手の頭を叩く場所

ツケにはハネよ

まず紹介したいのは「ツケにはハネよ」という格言です。

ここでは自分が黒番とします。

白が自分の石にツケて来る場面はよくありますよね。

自分と相手の石の距離は、プレッシャーの度合いにつながっており、近ければ近いほど強いプレッシャーをかけられているという評価になります。

そのためツケという手は、最もプレッシャーをかけられてい状態と言えます。
相手が自分に対してパンチしている状態と捉えてOKです。

その時の有効策がツケにハネるなのです。
ツケられた時は、どこよりも優先して対応しましょう。

2目の頭を見ずハネよ

「ツケにはハネよ」の応用として、「2目の頭見ずハネよ」という格言があります。

上図のようにお互いの石が並んでいる時は、とにかく頭を叩きましょうということです。
※黒1が急所になります。

ここを打てるかでその後の展開が大きく異なります。

なぜ頭を叩いた方が良いのか

相手にツケられた時も、2目が並んでる時も、頭を叩くこと(=ハネ)が良いと書きましたが、これからその理由を解説していきます

理由1・相手を弱くさせられるから

頭を叩くメリットの一つ目は、相手を弱くさせられることです。

まずツケてきた時を解説すると、これは「あと3手で取られる石がお互いに1つずつある」という状況と言えます。

そこからハネることで、相手をあと2手にできるのが分かりますね。

あと2手になったということは、石が取られやすくなったということ。
つまり危険な状態(=弱い)にできたということが言えます。

また「石の数」という要素も強弱に関わるので、自分の石が増えることで相対的に強くなれると評価できます。
 

 
2目の頭も理屈は同じです。
あと4手で取られる石を互いに抱える中で、先に相手の石を危険な状態にできるのです。

石の頭をしっかり叩くことで、相手の石が弱くなった状態になる。
そしてそこから戦いを始められるので、ここが急所と言えるのです。

戦いを苦手にしている人でもスタートダッシュで勝っていれば、その後も競り負けにくくなります。

理由2・発展性に関わるから

頭を叩くことで、その瞬間に(短期的に)、相手を弱くできるのがわかりましたが、長期的にもメリットがあります。

それは頭を叩けるかどうかで、その後の陣地の発展性が大きく変わるということです。

ここでは2目の頭を叩いた場合と、相手に叩かれた場合とを比較してみてみましょう。

◆叩いた場合

◆叩かれた場合

盤上の矢印はその後の陣地の発展性を示しています。

どちらの図も、叩いた方の陣地がこれから大きくなりそうに見えますよね。
反対に叩かれた側は少し猫背になっており、そこから大きく挽回できそうにありません。

頭を叩くということは、接近戦の急所と書きましたが、それだけではなく後々ついてくる陣地の大きさにも影響しているのです。

頭を叩けない理由

頭を叩くことが、いかに戦いの急所になるかがここまで分かったと思います。

しかし実際の対局になるとなかなか叩けないという人が多いかもしれません。

その原因は自分の傷に目が言ってしまうからだと思います。

叩くことで相手が弱くなるはずなのに、それと同時に生じる自分の傷が気になってしまう。
それで叩けないという人が本当にたくさんいます。

しかし切られても心配無用です。
切られた後の対応については以下の記事で紹介していますので、対策を知りたい人はぜひご覧ください。

相手の石を切れない人へのアドバイス【囲碁】

頭を叩いて接近戦に強くなろう

戦いの急所として、頭を叩く箇所があるということを紹介しました。

・短期的に見て、相手の石を弱くできること

・長期的に見て、その後つく陣地が大きくなること(発展性がある)

この2点が得られる効果です。

しっかりと相手の頭を叩くことで、戦いを有利に進められます。
今は戦いを苦手に感じている人も、ぜひ一度試してみてください。

※後編は以下からご覧ください。

【囲碁】戦いを有利に進めるポイント(後編)

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