2.162023
理想の上達の仕方

囲碁の上達から考える
囲碁を教える仕事をしているのもあって、社会人になって囲碁を始めた方たちから「どうやって強くなれたんですか」とよく聞かれます。
僕は大学で囲碁を始め、4年間で三段というレベルくらいになれました。
社会人で囲碁をやっている人で、初段に到達できる人はそんなに多くないので、4年で三段はそれなりのスピードだと思います。
大学生は自分に使える時間がたくさんあるので、もちろんそれも大きな要因だと思います。
ただかけられる時間の話は抜きにして、他のいくつかの要因から、上達について書いてみます。
理想の上達
何事にも共通する「理想の上達の仕方」があると思っています。
それは楽しんでいるうちに、自然と上達していたという状態です。
囲碁の場合は上達していた=強くなれたということになります。
プロプレイヤーを目指すのであれば、強くならなければいけないという気持ちで臨むことになりますが、アマチュアならば強くならなければいけないことはありません。
それよりもその時間を楽しもうと思えることの方がよっぽど大切です。
僕は囲碁を強くなろうと考えていたわけではありません。
所属していた大学囲碁サークルを楽しもうと思っていたら、自然と強くなれたのです。
普段の活動で友達と過ごす時間が楽しい
↓
楽しいから囲碁に触れる時間が自然と長くなる
↓
触れる時間が長いから結果的に強くなる
こんな感じで楽しく活動しているうちに強くなれたのでした。
これが理想の上達の仕方だと思います。
付け加えるならば、大会が半年に一度の頻度であったのも大きいです。
普段の成果を確かめる腕試しの場があることで、活動にもメリハリが生まれましたし、自分にとってもちょうどいい目標となりました。
ただそれも含めて楽しい時間があったからだと思います。
近い実力の仲間がいること
またサークルの環境で恵まれていたこととして、自分に近い実力の人が常にいた点も挙げられます。
初心者、初級者、中級者、上級者と、本当にバランス良く実力がわかれていたのです。
なので「あの先輩を目指せばいいんだな」と常に思いながら囲碁に触れられたので、勉強のモチベーションを維持できました。
もちろん自分より少し弱いメンバーもいたので、彼らに抜かされないように意識できたことも大きいと思います。
社会人になってから囲碁を始める人との一番の違いは、この「理想の仲間に出会えるかどうか」だと思います。
自分の趣味として始める場合、やっぱり自分だけで完結してしまいがちというか、ここだと思える環境を探すのがけっこう大変です。
何かを上達したいと思ったら、それに取り組みながら、理想の仲間と出会えるように動くこともけっこう大切だと思います。
サービスづくりにも活かそう
僕は囲碁を教えるのが主な仕事なので、お客さんを強くさせることが満足してもらう一つの切り口になります。
その際、盤上の打ち方などを教えることにどうしても気が向いてしまいますが、自分の経験を踏まえるならば、今回書いたような環境を提供することもとても有効だと思います。
強くなりたいという気持ちも大切ですが、そればかり追ってしまうとストレスに感じられてしまうこともありますので。
楽しくなる環境を提供することで、お互いに楽しい時間を過ごせるのではないかと思います。
今回は囲碁が例になっていますが、あなたが同じように何かを教える仕事をしている場合、どんな環境づくりができるでしょうか。
サービスづくりの一つの参考にしていただけたら幸いです。