6.112021
【囲碁】戦いを有利に進めるポイント(後編)

戦いでなぜか負けてしまう人が見るべきところ
前編の記事では、囲碁の戦いにおいては相手の頭を叩くことが重要であると書きました。
※まだご覧になってない方は、上記からどうぞ
頭を叩くことで短期的に弱くできるだけでなく、長期的についてくる陣地も増やせます。
ただ戦いの急所はそれだけではありません。
苦手に感じている人がよく見逃しているポイントがもう1つあります。
それはサカレ形になってしまっているということです。
サカレ形とは?
サカレ形とはその名の通り、石が割かれている形のことを言います。
例えば下図の黒はサカレ形です。
サカレ形は囲碁用語の「キリ」を示す状況よりも、さらに悪い評価になります。
「石が切られている」と表現する時は、お互いの石が斜めになっていることを言います。
例えば以下の図は、切られていると言います。
黒△と白×はお互いにつながってないですよね。
しかしサカレ形は、黒白どちらかだけが一方的に分断されている状況であり、もう片方はつながっています。
つながっている石は取られにくい(=安全)。
対して分断されてしまった側は取られやすいので、一方的に攻められてしまうのです。
そんな不利な状況を作ってしまうことが、戦いで勝てない原因になっている人はたくさんいます。
サカレ形になってしまう原因
ではなぜサカレ形になってしまうのか。
よくあるパターンは、相手が出ようとしてきた手に対して、抑えた時にできる傷を不安に感じて、ゆるめてしまうことが挙げられます。
例えば以下のような局面。
白◯が黒の間を出ようとしてきた局面です。
ここでは下図のように、「出には抑えよ」の格言通りに抑えらることが大切です。
しかしそれと同時に、黒1の両隣に傷ができているのがわかります。
この傷を怖がってしまうから、抑えられなくなってしまうんです。
傷を怖がると上図のようにゆるめて対応してしまい、白2とサカレ形になってしまう。
その後の対応ですが、一度サカレ形になってしまうと、そこからつながろうとしても叶いません。
左側の黒が孤立してしまっては、そこから挽回するのは難しいです。
これらは極端な図ではあるものの、戦いで負けてしまう人はこのような対応をしているのだと思ってください。
これならまだ抑えて傷ができていた図の方が断然良いです。
傷を作るのは怖いかもしれませんが、勇気を出して抑えてましょう。
※切られた後の対応は以下の記事を確認してください
まとめ〜急所を見つけられれば一気に変わる〜
戦いの急所について、2つの記事で紹介してきました。
・相手の頭を叩くこと
・サカレ形にならないようにする
この2つを意識できるだけで、接近戦の安定感は一気に変わります。
もちろんいきなりは難しいと思うので、まずはご自身で振り返る際に見るべきポイントとしてチェックしてみてください。
戦いを苦手に感じている人が、少しでも克服できるようになったらと思います。
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